28, 言わないで 2

 

 

 

 

※作品内に、一部18禁描写が含まれます。
苦手な方は閲覧をお控え下さい。

 

 

 

 

 
「な…おいソチ!しっかりしろ!」
慌てるケインと倒れふすソチから目を離さず、シホは乱された軍服を手早く直すとベッドから立ち上がろうとし…ふらりとよろけた。
 
「え…?」
 
ふわふわと足下が定まらない感覚。
まさか…薬を使われている?!
 
 
「この…クソ女が…」
ソチが、ケインに手を貸されて起き上がる。
シホはふらつく体を必死で支え、ドアに向かって走った。
 
「ケイン!そいつを捕まえろ!」
「ああ!」
あと少しでドアにたどり着く、その寸前でシホの体はケインの腕に捕らえられる。
「いや!離して!」
「…薬の量、少なかったかな?ソチ、これ使っていい?」
「ああ。動けなくしてやれ」
その言葉に、シホは目を見開きじたばたと暴れた。
「シホちゃん…ソチを怒らせたら大変だよ?」
 
ちくり、と腕に痛みが走り。
ほどなくシホの頭は朦朧とし始めた。
 
 
 
「…頭、痛い?」
シホが目を開けると、薄汚れた天井が目に入った。
いつの間にかベッドの上に戻され、軍服はさらに乱されている。
「なに、を…」
先程の痛みは、薬物を注射されたのだろう。
ぼんやりした頭でシホはそう考え、視線をケインに向ける。
 
「麻酔薬に催淫剤。ごめんね、ダブルで使っちゃった。」
 
「な…」
「シホちゃん、赤服のエリートじゃん?眠ってもらわなきゃここまで連れて来られないでしょ。
まぁ、催淫剤打ったのはソチの趣味だけど。
でも足りなかったみたいだから、催淫剤だけ追加させてもらったよ。」
「余計なことを言うな、ケイン。」
「はいはい。」
ケインはシホのスカートを捲り上げ、下着に手をかけた。
 
「やっ…!やめ、て…!!」
何をされようとしているか気づいたシホだったが、体に力が入らず弱々しい声を上げる事しか出来ない。
「やめるわけねぇじゃん。」
「きゃあっ!!」
シホはあまりの羞恥に悲鳴を上げた。
 
 
「ねぇ、シホちゃん。
ジュール隊長にこの事報告したきゃすればいいけど。
もし捕まって尋問されたら、俺達シホちゃんとどんな事したか全部正直に話すからね。」
 
 
シホの目が見開かれた。
ケインはシホの首筋に唇を落とし、耳元で囁く。
 
 
「意味、分かるよね?」
 
 
「やめて!」
シホが涙目で叫ぶ。
身支度を整えたソチがシホの体に手を伸ばした。
 
「それが嫌なら、どうすればいいか。分かるな?シホ・ハーネンフース。」
 
胸の膨らみをなぞられ、シホはぎゅっと目を閉じた。
「あ、あ!さわらないで!!」
男達の手が、裸同然にされたシホの体をまさぐる。
 
 
「たい…ちょう…」
こんなことなら、もっと気をつけていればよかった。
イザークと、あんな言い争いをしなければよかった。
シホの目から、静かに涙が流れる。
 
「…ジュールは来ない。諦めろよ。
最も、傷物にされた女に言いよられた時点で、あいつのプライドが許さないだろうけどな。」
 
 
言いよるなんて、しないのに。
ただ好きなだけなのに。
こんな事になってしまっては、それもかなわない。
薬のせいだろう。シホの頭が、がんがんと痛んだ。
ーーもう、隊長に会えない。顔を見るなんてとてもできない。
 
 
「いや…たい、ちょう…イザーク、あ、ああっ!!」
「諦めろって言ってんだろ?」
ケインにぐい、と足を掴まれ、シホは悲鳴を上げた。
 
 
助けて…イザーク!!
 
 
シホは動かない体で必死に抵抗した。
 
 
 
キキーーーーー!!!
 
 
 
その時、すぐ近くで、車の急ブレーキが聞こえた。
 
 
ソチとケインがはっと顔を上げる。
シホはぼんやり天井を見つめたまま、動けないでいた。
 
 
「…あいつ、エルスマン!?マジかよ?」
窓から外を伺ったケインが、驚きの声を上げる。
「ちっ…!携帯の電源は落としていないのか?」
「落としたさ!」
「じゃあなんで…。とにかく逃げるぞ!捕まったら元も子もない!!」
ソチはさっと辺りを見回すと、ぼんやり横たわるシホの顎をぐっと掴み、自分の方を向かせた。
 
 
「お前が何をされたか知ったら、ジュールが悲しむ。
…好きなんだろう?なら意味は分かるよな?」
 
 
「ソチ、はやく!」
「ああ!今行く!」
シホは、ばたばたと部屋から出て行く男達をぼんやりと見送った。
薬のせいであろう頭痛は相変わらずで、それに加えて体のあちこちが痛む。
縛られていた手首は、ひどく擦り剥け出血していた。
なにより、体中に残る感触と、多分抵抗した時に負ったであろう傷の痛みにシホは打ちのめされていた。
 
 
 
「シホさん!」
「シホ!いるのか?!」
 
 
不意に聞こえた自分を呼ぶ声に、シホはびくりと体を震わせる。
慌てて起き上がろうとするが、薬で朦朧とした体はなかなか言うことを聞かない。
「ディアッカ!これ、シホさんの…」
声が近づき、薄く開いたままだったドアから誰かが入ってくる気配がした。
 
「…シホさん!」
ゆるゆると顔をそちらに向けると、驚愕に目を見開くミリアリアの姿があった。
「ミリィ!離れるなって…」
 
 
「だめ!ディアッカ!そこから動かないで!!」
 
 
聞いた事のないようなミリアリアの鋭い声。
ディアッカはびくりと立ち止まる。
そして、自分の予想が当たってしまった事を察した。
 
 
 
 
 
 
 
016

反撃も空しく、再度捕われてしまったシホ。

ディアッカとミリアリアが助けに来たものの…

 

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