AAとクサナギの出立の時間が近づき、ミリアリアら領事館職員はデッキまで見送りに出ていた。
「カズイ、気をつけてね。写真の件、お願いね。」
ミリアリアの言葉にカズイは笑顔で頷いた。
「墓前にも報告しとくよ。当分地球には戻らないんでしょ?」
「…うん。お願い。」
「ミリィも、気をつけて。何かあったら連絡してね?あと、ちゃんとカレに相談するんだよ?」
そう言ってカズイは、ラクスの護衛として後方に控えるディアッカにちらりと目をやった。
ディアッカは、カズイの視線に気づいてかすかに眉を動かし、怪訝そうな顔をする。
「ありがとう、カズイ。そうするわ。」
「カズイ、着いたら通信よこせよ。テキストなら送れるだろ?」
サイがカズイの肩を叩いた。
「もちろん!キラにも送るからさ。」
サイの隣に立つキラも、にっこり笑って頷いた。
「カズイ、フレイの所にも行ってあげてくれる?」
「…うん。必ず。」
そう言うと、カズイは一歩下がって、三人を見つめた。
「また、いつかみんなで。」
「ああ。それじゃ。」
サイの言葉にカズイは嬉しそうに頷いた。
そして、くるりとこちらに背を向けるとクサナギのタラップを駆け上がる。
そして、ぴたりと歩みを止めるとこちらを振り返り。
ラクス達の方に向かって――正確にはイザークとディアッカに向けて、大きく手を振った。
ラクスが目を丸くし、すぐに笑顔になると手を振りかえした。
イザークは唖然とし、ディアッカは苦笑して軽く手を上げる。
「あいつ、ほんとに変わったよな」
サイが呆れたように呟くと、ミリアリアがクスクス笑いながらクサナギを見上げた。
「カズイらしくて、いいじゃない。ね?キラ。」
その言葉にキラも苦笑する。
「ホントにね。カズイ、なんか明るくなったし、良かったよね。」
そんな話をしてこっそり笑い合う三人を、ディアッカは後ろから穏やかな顔で見守っていた。
「それでは、わざわざお見送りいただき感謝する。ラクス、気をつけてな。」
「ありがとうございます。カガリさんも、道中お気をつけて。」
続いてカガリがキサカとともに現れた。
ラクスと短い挨拶を交わし、ミリアリア達の方にやってくる。
「お前たちには期待している。よろしく頼むぞ。」
「ありがとうございます。カガリ様もくれぐれもご無理なさらないよう。」
アマギの言葉に、カガリは微笑んで頷く。
そして、サイと言葉を交わしたカガリはミリアリアの前に来ると立ち止まった。
「カガリ、本当にありがとう。」
ミリアリアの万感の思いを込めた言葉が終わるや否や、カガリはいきなりミリアリアにがばっと抱きついた。
「きゃっ!ちょ、カガリ!」
「あらあらあら…」
ミリアリアは思わず声を上げ、ラクスはいつもどおりマイペースに驚いた後、楽しそうに微笑んだ。
イザークは再び絶句、ディアッカも目を丸くしている。
「ミリアリア、お前は私の友達、だよな?」
カガリが耳元でそう囁くと、ミリアリアは優しくカガリの体を抱きしめた。
「そうよ。だから安心して?カガリは一人じゃないんだから。」
「…さっき、アスランと話をしたんだ。ふたりで。」
ミリアリアは意表を突かれ、危うく声をあげそうになった。
「…プラントの情勢が落ち着いたら、会いにきてくれる、そうだ。」
その言葉にミリアリアが破顔する。
「…地球に着いたら、連絡ちょうだい。じっくり、話を聞かせてもらうわよ?」
カガリはミリアリアから体を離すと、嬉しそうに笑った。
「ああ、まかせろ!じゃあな!」
オーブの姫君らしからぬ、そんな言葉を残して。
苦笑するキサカを従え、カガリの姿はクサナギに消えて行った。
アスランとカガリ、これからどうなって行くんでしょうねぇ…
2014,6,13up