居場所と親友 2

 

 

 

アマギを先頭にすたすたとラクスの前まで進み出たサイとミリアリアは、見事に表情を消している。
 
「ただいまご紹介に預かりました、オーブ軍第二宇宙艦隊AA所属、アマギ一尉であります。
在プラント、オーブ総領事館長を務めさせていただきます。
こちらがサイ・アーガイル特別参事官補佐。
彼は外交、対外交渉を中心にあたらせていただきます。
そしてこちらがミリアリア・ハウ三尉。
彼女は報道官としての任にあたらせていただきます。」
 
 
ラクスはにっこりと笑って宣言した。
 
「プラントはあなた方を歓迎致します。
何かと不便が多いことと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。」
 
「はっ!」
アマギの軍人らしい返答とともに、サイとミリアリアがラクス達に一礼する。
 
 
ディアッカとイザーク、そしてキラは、あまりの衝撃に終始固まっていた。
 
 
「それでは、各自席に。話を先に進めよう。」
カガリのかすかに笑いを含んだ声が、部屋に響いた。
 
 
 
 
 

「ぶっ…はははは…」

協議が終わって控え室に戻ると、サイが堪えきれず吹き出した。
「キラたちの顔っ…ははは…」
「おいおい、俺だって堪えたんだから我慢しろよなー?」
そう言いながらフラガも口元が緩んでいる。
マリューが微笑みながら、ムゥ、勤務中よ、とたしなめた。
 
 
 
ミリアリアはまっすぐカガリのところへ向かった。
「カガリ!」
「なんだ?ミリアリア。」
「カガリ…」
ミリアリアの目に涙が滲む。
そのままミリアリアはカガリに抱きついた。
 
「おわっ!ど、どうしたミリアリア!」
「ありがとう…カガリ」
耳元で囁くミリアリアの言葉に、カガリは柔らかく微笑んだ。
「…餞別だ。ディアッカについて行くと決めたんだろ?
私には、この位しかしてやれることがない。」
この位だなんて!
 
 
 
ミリアリアは、カガリの気持ちが本当に嬉しかった。
プラントに残ると決めたものの、さきが全く見えない不安はディアッカにもおいそれと相談出来ないままでいた。
プラントではマイノリティーである自分の居場所、それを作ってくれたのだ。カガリが!
 
「カガリ、ありがとう。
カガリは私の、大切な仲間で、親友よ。」
 
 
それを聞いたカガリが目を見開き、少しだけ泣きそうな顔になった。
「ほんとか…?ミリアリア」
「え?」
「私は…こんな感じでがさつだし、口は悪いし言葉も足りなくて、とても姫と言えるようなものではない。
だから、同年代の友達などいないに等しい。」
ミリアリアはびっくりしてカガリを見る。
 
カガリは、泣きそうな顔で微笑んでいた。
 
たまらずミリアリアはカガリに訴えた。
「今までカガリは、私のこと仲間って思ってくれてたのよね?
じゃあこれからは、私カガリの友達に、親友になりたい。
一般人の私がお姫様のカガリにこんなこと言うのはいけないことかもしれないけど…」
 
 
今度は、カガリがミリアリアにぎゅっと抱きついた。
「ほんとか?私でいいのか?」
ミリアリアはにっこり微笑んだ。
「当たり前じゃない!私こそ、ただの一般人だけど大丈夫?」
そういっていたずらっぽく首を傾げるミリアリア。
いつの間にか、室内にいる皆がカガリとミリアリアのやり取りを見守っていた。
 
 
「カガリ、私に居場所を作ってくれてありがとう」
「ミリアリアも、私と親友になってくれてありがとう」
 
キサカが、そんな二人を優しく見守っている。
 
 
二人の少女は、お互いを見つめにっこりと微笑み合うのであった。
 
 
 
 
 
 
 
016
 
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2014,6,12up