ミリアリアは、まだ少しだるい体を起こすとサイドテーブルを引き寄せ、カガリに通信を繋いだ。
ほどなく、オーブの姫君の声が端末から流れた。
「ミリアリアっ!お前、もう大丈夫なのかっ!?」
まるでモニタがミリアリア本人かのように顔を近づけ、大声で話すカガリにミリアリアはつい笑ってしまう。
「心配かけてごめんなさい、カガリ。さっきやっと意識が戻ったの。まだそれほど動き回れないけど、もう大丈夫よ。」
カガリがふぅ、と息をついたのがわかった。
「そうか・・・よかった。ディアッカも目が覚めたのか?」
「うん。さっきまでここにいたんだけど・・・」
そうミリアリアが言うと、カガリがふっと笑った。
「ちゃんと、話できたんだろ?よかったじゃないか。」
ミリアリアは顔を赤らめ、それでも頷いた。
「じゃあ、元に戻った、ってことだよな?」
「・・・うん。素直に自分の気持ち、伝えたわ。それでね、カガリ・・・」
「ちょっとまて。」
カガリが顔の前に手のひらをかざし、ミリアリアの話を止めた。
「ディアッカがそこにいないならちょうどいい。至急、お前に会わせたいやつがいる。今いいか?」
ディアッカが、いないなら?
よく分からないながらもミリアリアは「ええ。」と頷いた。
「お前が以前取材していた、ダストコーディネーターの件だが。」
ミリアリアははっとしてカガリを見つめた。
「そういえば、生存者がいたって・・・。会わせたいやつって、もしかしてその事と関係があるの?」
ミリアリアの中で、あの取材は特別なものだった。
ミリアリアが知っているのはキラやアスラン、イザーク、そしてディアッカというコーディネーターの中でも拠り抜きの人物ばかりだったから。
ダストコーディネーターの置かれた悲惨といってもいい環境、境遇は今後の世界に大きな波紋、影響を及ぼすと感じてもいた。
「あのテロの際、そこのコミュニティにいたダストコーディネーターに生存者はいなかった。それは知っているよな?」
「もちろんよ。私は実際その現場にいたんだし。」
そういいながら無意識にミリアリアは胸元に手をやる。
が、息苦しさはない。
それをなぜだろう、と頭の隅でぼんやり考えながら、ミリアリアはカガリの話の続きを待った。
「確かに、あの場所に生存者はいなかった。オーブ軍もそれを確認している。でもな、ミリアリア。」
カガリは一度言葉を切る。
「たまたま、外に出ていたやつもいたんだ。」
ミリアリアは呆然とした。
「どういう、こと?」
「出動中だった、ってこと。」
不意に、カガリではない声が会話に混ざる。
柔らかい、男性の声。
聞き覚えが、ある。
ミリアリアは思わず叫んだ。
「だれ?そこにいるのは誰なのカガリ!」
カガリが、しょうがないな、といった表情で横にずれる。
そこにひょいと顔を出したのは、明るいオレンジ色の髪に優しげな青い瞳の青年。
「よ。相変わらず無茶ばっかやってんじゃん、ミリアリア」
ミリアリアの目が驚愕に見開かれた。
今になって、ようやくあの人が登場です(笑)
2014,6,11up