エターナルから小型の移動艇が数隻出てくる。
そのすぐ後に、バルトフェルドのムラサメが続いた。
『ポイントはこちらで指示します!降下開始して下さい!』
ダコスタの声が響いた。
『ダコスタ君、留守にするけどよろしく頼むよ?』
『ラクス様とエターナルの事はお任せください。隊長もお気をつけて。このコロニーに砂漠は無いようですから!』
イザークがくすりと笑むのが、通信越しでも分かった。
『ダコスタ君も冗談を言う様になるとは…成長したねぇ』
ふぅと溜息をつく砂漠の虎だったが、ヘルメットを被るとバイザーの奥できらりと目を光らせた。
『それでは、降下開始する!目標はAAの姫君一行の救出とテロリストの制圧だ。抜かるなよ、諸君!』
ディアッカも、脱いでいたヘルメットを被り直した。
『ラクス!』
エターナルにキラから通信が入ったのは、ディアッカ達が降下開始してすぐのことだった。
「キラ?どうされましたか?」
『すぐ近くの宙域まで、エクステンデット部隊が来てるみたいだ。
先遣隊が交戦中だけど、押されてる。僕らも急ぐけど、このままじゃ…』
「分かりました!急いでそちらに向かってください。万が一の場合はすぐに連絡を!」
『了解。ラクスも気をつけてね。』
「分かりましたわ、キラ。キラとアスランもお気をつけて。」
エクステンデットをGに近づけさせてはいけない。
ラクスは不安げに、外に目をやった。
「なんだか、人がほとんどいなくない?」
ミリアリアはそっと建物の中を見渡す。
「もともと、そんなに大人数の組織じゃないみたいだからね。僕もお偉いさんには会ったことなかったし。」
そう言うとカズイは、格納庫とおぼしき入り口横の部屋を指した。
「ここ、早く入って!」
そこは、パイロットルームだった。
簡易的だが、一通り設備は整っている。
「あのさ、ここで着替えない?
前に見ちゃったんだけど、確かロッカーの中に地球軍の軍服があるはずなんだ。
僕はともかく、二人はそのかっこじゃ目立ちすぎるよ。」
サイとミリアリアはお互いを上から下まで眺めた。
サイの濃紫の首長服は砂や埃で薄汚れ、所々破れている。
もともと文官仕様のデザインなのだから、こういった状況では動きづらいことこの上ないだろう。
ミリアリアに至っては、傷の手当ての際に下着以外は着替えさせられ、薄手のワンピースのみ。
オーブの軍人とかろうじて分かるのは素足に合わせたブーツのみだが、そちらにも血が付着してひどい有り様だ。
「足元はしょうがないにしても、確かにひどいわね…。」
サイがロッカーを開けると、地球軍の少年兵士用軍服が何着か入っているのが見えた。
「なんで、地球軍の軍服が…。やっぱり、エクステンデットに、かしら?」
複雑そうな表情でミリアリアもロッカーの中を見つめた。
「だろうね。エクステンデットは地球軍の所属、ってことだろうから。
…すごい複雑だけど、まぁしょうがないよね。」
そう言って青を2着、ピンクを1着取り出し、ピンクをミリアリアに差し出す。
「ええっ!?」
そう言って驚くカズイに、「どうせなら付き合えよ、お前も。」と青い軍服を押し付けた。
「ミリィ、傷はどう?着替えられる?」
「うん、大丈夫。それより急ぎましょう。」
ミリアリアは、余りにも懐かしすぎるその軍服に気を取られ、傷の痛みも忘れて自ら手を伸ばし慌てて左肩を抑えると顔をしかめた。
ピンクの軍服、かわいかったですよね。オーブのもストイックな感じでいいんですけど…。