事態は、急激に動いたー。
「ミリィ、準備出来た?」
あれから二日後。
早朝の格納庫にミリアリアとサイは立っていた。
「うん、大丈夫。銃も発光弾も持ってるし、無線も正常よ。」
「じゃあ、行こうか。」
結局あれから、ディアッカとミリアリアは話をしていなかった。
ディアッカはエターナルで作戦会議、ミリアリアは一日中ターミナルを通して出来る限りの情報を集め各方面に報告していた。
その為、ブリッジでほんの少し顔を合わす程度で、話など到底できる雰囲気ではなかったのだ。
そして今日も、二人は別働隊として先に動く為、ここにディアッカはいない。
「…コールだけでもしといたら?」
ミリアリアが何を気にしているか、サイにはもちろん分かっていた。
「まだ寝てるでしょ。」
「そんな呑気なわけ?ザフトの軍人さんは」
「いいよ、別に…」
「じゃあもしこれで何かあって、ディアッカと二度と会えなくなってもいいんだね。」
ミリアリアがピタリと歩みを止めた。
「…そんなの嫌。」
「あ、ちょうどいいとこに内線。」
サイのお節介。
ミリアリアは、意を決するとゆっくりディアッカの部屋番号をプッシュしようとした。
その瞬間。
ーキィン!
ミリアリアの耳にセットした無線用のインカムにノイズが混じった。
この音は。
「サイ!誰かいる!」
万全を期すため、ここにいるべきAAの人員には同じ周波数の発信機をつけてもらっている。
外部から侵入者がいた場合、随所にセットしたセンサーが反応し、ノイズで味方に注意を喚起するのだ。
「フラガさん!敵の侵入です!」
サイがアカツキに取り付いているフラガに大声で叫ぶ。
フラガがマードックに「坊主たちに知らせろ!今すぐ!」と指示を出し、アカツキのボディを蹴ってこちらに飛んでくる。
「坊主は今こっちに向かってますぜ!嬢ちゃんが黙って行っちまう前にコールしました!」
「上出来!」
ディアッカが、来てくれる?
ミリアリアの体が震えた。
「ぐわぁっ!」
音もなく、侵入者たちが格納庫に現れた。
消音器付きのレーザー銃を手にしている。
「サイ!お嬢ちゃん!早く移動艇に!」
フラガが銃を手に叫ぶ。
「でも、ディアッカが…」
「ミリィ!早く!」
サイがミリアリアを振り返る。
と、その表情が恐怖に固まった。
「サイ?…きゃああっ!」
ミリアリアの悲鳴が、格納庫に響いた。
2014,6,10up