連絡先を交換した後、軍本部でメイリンと別れたミリアリアは頼まれた資料を担当部署に渡すとさっさと帰途についた。
出口に近づくにつれ、設置されている大きなモニタの周りに兵士が集まっているのが見える。
何だろう、と思い、目立たないようそっとモニタに目をやると、そこには拝命式の様子が映し出されていた。
「あ、メイリン…」
ミリアリアは先程まで一緒にいた赤毛の少女を見つけ、ついモニタに見入った。
『ーーでは次に、ジュール隊への新規配属者を発表する。
メイリン・ホーク。シン・アスカ。以上2名、前へ!』
ミリアリアは驚きに目を見開いた。
メイリンが、ジュール隊に?!
そう言えば以前、情報処理関係に強い隊員が少ない、とディアッカがぼやいていたような気がする。
メイリンの情報処理・分析能力は、短い期間とはいえ一緒にいたミリアリアも良く知っている。
どういった経緯かは分からないが、適材適所な人選なのだろう。
そしてもう一人、赤い瞳が印象的な、シン・アスカ。
「どこかで聞いた名前よね…」
ミリアリアは首を傾げながら、呆然とするメイリンとどこか憮然とした態度のシン・アスカが前に進み出るのを見ていた。
モニタからは、ザフト軍高官の話が続いている。
『そして今回、暫定的な措置ではあるがジュール隊隊員には3ヶ月間のカーペンタリア勤務が命ぜられた。
ディアッカ・エルスマン!前へ!』
「…は?」
ミリアリアはつい間抜けな声を発し、あわてて口を押さえた。
幸い、モニタに気を取られている周りの兵士達にミリアリアの声は届いていないようだ。
ディアッカが、少しだけ驚いた顔で立ち上がり、前に進み出る。
黒服の裾を優雅に靡かせ、颯爽と歩くその姿はやはり美しい。
絶対本人には言えないけど…やっぱり、かっこいい。
ミリアリアは微かに頬を染め、それでもモニタを見つめ続けた。
『エルスマン副官。ジュール隊長は今後議員職との兼務になる為、貴殿には今回、カーペンタリアに出向するジュール隊隊員達を取りまとめてもらう。
よってここに、暫定措置ではあるがエルスマン隊を結成し、貴殿を隊長に任ずる!』
「…うそでしょ…?」
ミリアリアの口から漏れた呟きに、注意を払うものは誰もいなかった。
周囲はこの大胆な人事に騒然とし、モニタに釘付けになっていたからだ。
『ディアッカ・エルスマン、謹んで拝命致します!』
モニタの中のディアッカは良く通る低い声で、優雅な敬礼を目の前の高官に送っていた。
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満を持して、シン・アスカの登場です。
そしてディアッカ、暫定措置(?)で隊長に!
2014,8,14up