24,出たとこ勝負 1

 

 

 

ミリアリア達が格納庫に駆け込むのと、ディアッカ達がコロニーに降り立ったのはほぼ同じ時刻だった。
鳴り響くサイレンの音に、ほどなく銃声が重なり始める。
「AAやラクス達も動き始めたみたいね。」
ミリアリアが嬉しそうに呟いた。
「でも、安心はできないよ。エクステンデット部隊がここに来る前に自爆装置を動かさなきゃ。」
「灯り、つけるよ!」
カズイの声とともに、視界が明るくなる。

 
目の前に、かつて自分たちを執拗に追い回し苦しめた、そして護ってもくれた機体が並んでいた。

 
「バスター…だわ。ほんとに。」
ディアッカがそこにいるような気がして、ミリアリアの鼻の奥がツンとした。
泣いてる場合じゃない!
ミリアリアは頭を振ると、声を上げた。
「それぞれのコックピットに!とにかくまずは起動させて、回線を開きましょ。」
そしてミリアリアは、迷わずバスターに駆け寄った。

 
フラガはアカツキを起動させながら、冷静にエクステンデットの数を数えていた。
7機、か?
Gは3機しかないのに、ずいぶん用意がいいこった!
フラガの脳裏に、3人の子供達が浮かぶ。
アウル、スティング、ステラ。
俺が殺したも同然な、かわいそうな子供達。
「…もう、お前らのようにはさせない。絶対にな!」
低い声でそう吐き捨てると、フラガはアカツキを駆って空に舞い上がった。

 
あまり広くはないコックピットに座り、主電源を入れると手元のモニタに光る文字が浮かび上がった。
ミリアリアはそのまま、まずは回線を繋ぐ為に計器を動かして行く。
近くのレバーに手をやると、なぜか、つるっとその手が滑った。
「…なにこれ…」
ミリアリアの左手が、血で汚れていた。

 
各機体のコードはすでに、カズイが外の端末で解析済みだった。
ミリアリアは血で滑る左腕を庇いつつ、コードを入力する。
右手だけでやろうとしても、つい癖で左手も使ってしまい、キーボードは血で汚れて行った。
「これで…お願い!」
ぷつん。
程なく、サイとカズイの真剣な表情がサイドモニタにそれぞれ表示される。
「サイ!カズイ!」
ミリアリアは思わず声を上げた。
「なんとか、第一段階は突破だね。」
サイも額に汗を浮かべている。
「次は、OSのロックを解除して、自爆装置を作動させるんだけど…」
カズイはそこで言葉を止めた。
「外の様子がわかんないうちに作動させちゃ、やっぱりまずいよね?」
確かにその通りだ。
30分で脱出しなければいけないところ、外に出たら誰もいませんでしたなんてまっぴらだ。
「ねぇサイ。聞いてもいいかしら?」
「…なに、ミリィ。」
「私達にこの機体、動かせると思う?」

 
「ミリィ…?」
サイは唖然としてミリアリアを見る。
緊張しているのだろうか。
心なしか、ミリアリアの顔色が悪い。
「戦うわけじゃないわよ?そんなのはなっから無理だし。
でも、この様子だともうキラもディアッカ達もこの騒ぎに加わってると思うの。
だから、まず私達がここから表に出て、そこで状況を確認してから装置を作動させればいいんじゃないかしら?」
「ミリィ、誰かの通信コードわかんないの?AAにいたんでしょ?」
おろおろとカズイが叫ぶ。
「…AAのはもちろん分かるけど、リアルタイムの情報を得るのは難しいわ。交戦中なら余計に。」
「キラの機体は?」
ミリアリアは暫く思案し。
「分かるわ。…キラのなら分かる!」

 
サイは頭をフル回転させた。
ミリアリアの案はとてつもなくハイリスクだが、外に彼らがいるならそのリスクはかなり軽減される。
「ミリィ、コード教えて。俺が繋ぐよ。」
「サイ?」
「適材適所で動こう。ミリィ、OS関係苦手だったよね?」
「…うん。」
「ここからは全部自分一人でやらなきゃいけないんだ。ロック解除も機体を動かすのも。
だからミリィは俺がキラに繋いでる間に、ロックの解除を進めて。
出来たらマニュアルも読んどいてね。」
サイはコンソールを引き出した。
「カズイは、そんな時間かからず解除できるだろ?
機体を動かす為のマニュアルが何処かのファイルに入ってるはずなんだ。
それを読んで、移動方法とシールドの使い方だけでも把握しておいてよ。
じゃ、ミリィ、コード教えてくれる?」
カズイは、溜息をついた。
「俺も覚悟決めるかぁ…。」
「そうそう、その心意気。」
ミリアリアからコードを聞き出すと、サイは通信設定を始めた。

 

 

 

016

ミリィをMS(できればバスター)に乗せたかったんです…。捏造もいいとこですみません。

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2014,6,10up