非常階段は空調もあまり行き届かず、何もせずいるだけではやや肌寒い。
緊張が解けて安心したのか、ようやく泣き止んで力の抜けたミリアリアを胸に抱き、ディアッカはこの後の行動について考えていた。
どうやら体調があまりよろしくないミリアリアを、ずっとここに置いておくのは得策ではない。
まずは、場所を移動しなくては。
「ミリアリア、ちょっといいか?」
そう言うや否や、ディアッカは事もなげにミリアリアを抱き上げた。
「え?ちょっとディアッカ…」
急に抱き上げられ、驚いたミリアリアが体を強張らせる。
「いつまでもこんなとこに居たら、ますます具合悪くなるだろ?今だってフラフラじゃん?」
そう言うとなぜかミリアリアの顔が赤くなった。
「だっ、だって…いきなりあんなキスするから…」
そこまで言って、ミリアリアは自分の言葉に照れてさらに顔を赤らめる。
先程のディアッカとの激しいキスで、すっかりぼんやりしてしまっていたのだ。
「なに?もっとして欲しくなっちゃった?」
「バカっ!そんなんじゃない!」
「いい反応。ミリアリアって感じだね」
ククク、と笑いながらディアッカはミリアリアの拳をかわした。
そのまま、自らの手でミリアリアの手を優しく包み込む。
「とりあえず休めよ、送るから。部屋どこ?」
するとなぜか、困ったようにミリアリアが口ごもった。
ディアッカが意味がわからずにいると、小さな声でミリアリアが告げた。
「前に…あんたが使ってた部屋…」
ディアッカはつい吹き出した。
「そっか、りょーかい」
「なっ…なんで笑うのよそこで!」
途端にふくれっ面をするミリアリアの額に、ディアッカはキスを落とした。
「べーつにー?」
「別にじゃないでしょ!って言うか、歩けるから降ろして!」
「ダメだね。そもそもお前、歩けねぇからこんなとこにいたんだろ?」
そう言い捨てて、ディアッカはミリアリアを抱いたまま颯爽と歩き出した。
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2014,6,7up
2017,9,23改稿