夜も大分更け、ホームパーティーは盛況のままお開きとなった。
サイは領事館に忘れ物を取りに戻ると言って、一足先にこの場を後にしていた。
「じゃ、俺たちはここで。イザーク達は歩いて帰るの?」
「ああ、今日はシホの家に泊まる。」
こいつも大概変わったよな、とアリーは内心で思いながら、笑顔で頷いた。
「そっか。じゃ、またな。」
「アルフォンスさんとシェリーさんもお気をつけて。ミリアリアさん、今日はごちそうさまでした。
ディアッカも今日はありがとう。」
生真面目に挨拶するシホにミリアリアは笑顔でまた来てね、と声をかけ、ディアッカは手をあげ頷いた。
「ディアッカ、ミリアリアさん、今日はありがとう。」
「いや?また今度飲みにでも行こうぜ?」
ディアッカはご機嫌な笑顔でアリーとシェリーに笑いかけた。
「シェリーさんも、今日は来てくれてありがとう。」
アリーの隣で俯き加減だったシェリーは顔を上げ、正面からミリアリアを見つめた。
「…どれも、美味しかったわ。ご馳走様。今日は、ありがとう。」
その言葉にミリアリアの目が少しだけ見開かれる。
シェリーはディアッカに向き直り、その顔を見つめた。
「ディアッカも、ありがとう。…あと…結婚、おめでとう。幸せそうで、良かったわ。」
ディアッカは、にっこり笑って頷いた。
「ああ、サンキュ。」
エアカーで消えた二人を見送り、ディアッカとミリアリアは部屋に戻った。
「お疲れ、ミリィ。さすが俺の選んだ自慢の奥さん、って感じ?」
ぎゅ、と背後から抱き締められ、ミリアリアは笑いながらディアッカを振り返った。
「自慢するほどの奥さんでもないわよ。それよりお料理、足りたかな?味とか大丈夫だった?」
「もう完璧。やっぱ俺のミリィってサイコーって思った。」
ミリアリアはくるりと振り返り、ディアッカの胸に飛び込んだ。
「…ディアッカ、だいすき」
胸に顔を埋めて囁くミリアリアを、ディアッカはまたぎゅっと抱き締めた。
「俺も。ミリィ、大好き。誰よりも愛してる。」
ミリアリアはその言葉に嬉しそうに微笑み、そっと踵が上げられる。
背伸びをして重ねられた唇を、ディアッカはそのまま少しだけ荒々しく貪った。
自動運転のエアカーの中で、シェリーはしばらく無言だった。
「疲れた?」
アリーの声に、シェリーはそちらを振り返り首を振った。
「疲れてはいないけど…何だか空しくなったわ。」
「え?」
「それと…」
シェリーがこつん、とアリーの肩に頭を持たせかける。
「あなたが…優しい人なんだ、ってことが、よく分かったわ。」
一瞬目を丸くしたアリーが、ふわりと微笑んでシェリーの肩を抱いた。
「今更気付いたの?」
「…うるさいわね」
言葉とは裏腹に、シェリーの声はどこか頼りなくて、普段とは違って、儚げで。
アリーは肩を抱く腕にそっと力を込めた。
「ねぇ、アリーは何が好き?」
さらり、と肩に回した腕にシェリーの綺麗な髪が流れ落ちる。
「何が、好き…って?」
「さっき。ディアッカの所で、ミートローフ沢山食べてたわよね?あと、キッシュも。」
アリーは、ちゃっかり自分が何を食べたかチェックしていたシェリーに驚き、微笑んだ。
「うん。キッシュは好きかな。野菜とか好きだし。ミートローフは、あいつに勧められたから」
「そう。…そうなの。」
「急にどうした?」
シェリーは顔を上げ、アリーの緑色の瞳を覗き込んだ。
「じゃあ…今度、作ってあげるわ。私が。」
「…シェリー、料理出来たっけ?」
「これから覚えるわ。」
そこにあるのは、いつもの勝ち気なシェリーの瞳。
アリーはにっこり微笑んだ。
「楽しみにしてる。あー、俺も何かシェリーに作ろうかなぁ」
「…あなた、料理出来るの?」
「全然?だから一緒に覚えようかと思って。」
シェリーはその言葉に、くすりと笑った。
「…そうね。一緒に覚えましょ?それで、いつかうちでもホームパーティする?」
「あ、いいね、それ!」
二人はエアカーの中で顔を見合わせ、笑いあった。
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“ホームパーティーを開いて、自分のミリアリアに対する愛情と、どんなにミリアリアがいい女かをみんなに知らしめる!”
これが、ディアッカがホームパーティーを計画した理由、なのでした。
なかなか筆が進まない私にたくさんの案を提示して下さったえみふじ様には、改めて大感謝、です!
シェリーにも心を砕いて下さり、最後はシェリーとアリーも良い方向に進む結果に(●´艸`)
えみふじさんのお言葉がなければ、ここまで綺麗にオリキャラ達の会話はまとまらなかったでしょう。
そして、さりげなく前回の合作「ホット・ラム・ティー」も登場(●´艸`)
こちらもえみふじ様のご意見をそのまま取り入れさせて頂きました。
何度も言わせて頂き恐縮ですが、本当にありがとうございました!
そして、このお話を最後までお読み下さった全ての方にも、心から御礼申し上げます。
皆様、本当にありがとうございました!
楽しんで頂ければ幸いです!
ホームパーティ おまけ小噺
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2014,10,3up