「…隊長?もうご自宅に戻られましたか?」
『いや、まだだ。あいつらは?』
「今、帰りました。多分もう大丈夫だと思います。」
『そうか』
「…イザーク?」
『…どうした?』
「やっぱり会いたいです。今すぐ。」
『お前…飲んだな?』
「少しだけ。」
『10分で行く。ロックを外しておいてくれ。』
「こんな時間に鍵もかけないなんて、そんなの不用心です。怖いです。」
『…5分で行く。待ってろ。』
その言葉を最後に切れた携帯を、シホはそっと胸に抱いた。
イザークって、優しい?
先程のミリアリアの言葉を思い出し、シホは幸せそうに微笑んだ。
壊れかけていたシホの心をそっと包んでくれた、強い意志と優しい心を持っている、誰よりも大切な人。
優しいですよ、とっても。
ミリアリアにそう答えれば良かったな、とシホが思った時、玄関のドアが開く音がした。
時計を見れば、通話を終えてからきっかり5分。
シホは携帯をソファに放り出すと、リビングのドアに向かって駆け出す。
そして、ちょうどドアから現れたイザークの胸にそのまま飛び込んだ。
「酔っぱらっているな?」
「いいえ。優先順位の問題です。」
シホはイザークの腕の中でくすりと笑い。
そのまま背伸びをして、優しく微笑むイザークの唇にそっと自分のそれを重ねた。
ミリアリアとディアッカは無言で手を繋いだまま、夜道を歩いていた。
シホの部屋からそう遠くない距離なので、アパートまではもうすぐだ。
「さっき、どうして怒ってたの?」
「…今日、本部でイザークとお前がずっと一緒にいるの見てて、苛々した。」
「だから、あんなことしたの?」
「…ごめん。」
ぴた、とミリアリアが足を止めた。
「…私も、嫉妬した。」
「え?」
「他の女の人と、ああいうことしてたんだって思って、悔しかった。」
「ミリアリア…」
「ほんとは、他の女の人の所になんて、行ってほしくなんかないの。」
ディアッカは、繋いだ手に力を込めた。
くだらない嫉妬。確かにイザークの言う通りだ。
俺は、どれだけ馬鹿だったんだろう。
「だって、私はディアッカが大好きだもの。
どこにいても、誰といても何をしてても、私の一番はディアッカなんだから。」
アパートまでは、後少し。
もう、建物だって見えている。そんな距離。
それでもディアッカは我慢が出来ず、繋いでいた手を強く引くとミリアリアをぎゅっと抱き締めた。
「ごめんな。つまんねぇ嫉妬、した。」
「私も…思ってもいないこと言って、ごめんなさい…」
やっと、素直になれた。
二人の胸にあるのは、そんな想い。
「…帰ろう?ディアッカ。」
腕の中で顔をあげたミリアリアが、花のようにふわりと笑う。
「…ああ。」
「…それで、さっきの続き、しよ?」
思いもかけないその言葉に、ディアッカはぽかんとミリアリアを見下ろした。
目を逸らして、うっすらと頬を染めるミリアリア。
ディアッカは少しだけ頬を赤らめ、それでも優しく笑って、ミリアリアの額にそっとキスを落とす。
「ああ。今度はゆっくり、な。」
程なく二人はアパートにたどり着き、中に入るとしっかりとロックをかけ。
まずはそこで、蕩けるような甘いキスを交わしたのだった。
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最後はやっと素直になれた二人。
ミリアリアの最後の台詞に、実はディアッカ照れまくってます(笑)
シホも、そんな二人に触発されたのかいつになくイザークに甘えます。
こちらはいまいち素直じゃない二人ですが、一緒に居たい気持ちは二人とも一緒。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました!
そして何より、素敵なネタや文章をご提供頂いたえみふじ様には大・大感謝です!
またこういった機会を頂ければ、ぜひやらせて頂きたいですv
これからも、どうぞ宜しくお願い致します!
2014,7,24up