※作品内に、一部15禁描写が含まれます。
苦手な方は閲覧をお控え下さい。
「除隊申請?ケイン・ワッツとソチ・ギュネイルが?!」
イザークは重々しく頷いた。
「ああ。直属の隊長にも確認した。現在二名は有休消化の為プラントに戻っているそうだ。」
「ビンゴかよ…」
ディアッカが苦々しく呟く。
「除隊後の行き先についてはあちらの隊長も知らなかった。
ただ、プラントから出る、とは聞いているそうだ。
奴らはもうこちらに戻る予定はない、と言っていた。」
…ヤリ逃げかよ!?…?くそっ!
内心でそう毒づき、ディアッカが舌打ちする。
コンコン!
不意に鳴ったノックの音に、イザークとディアッカは素早く顔を上げた。
「誰だ?」
イザークの鋭い声。
がちゃりとドアを開けて入ってきたのは、なんとミリアリアだった。
「ミリィ!あれだけ動くなって…」
「キサカさんと一緒に来たの。だから大丈夫。シホさんは?」
ディアッカは黙って首を振る。
ミリアリアが泣きそうな顔になった。
「サイの話だと、シホさん…寝てたみたいだったっていうの。
でもそんなことあり得ないでしょ?
ねぇ、携帯のGPSは?」
イザークががたん!と立ち上がった。
「そうか…!軍から支給された端末なら、電源が落ちていてもGPSはしばらく生きているはずだ!」
なぜ気づかなかったのか!
イザークは自らを殴り飛ばしたい衝動に駆られた。
「すぐオペレータールームへ。シホの居場所を探すぞ!」
「待って、イザーク。ここにある端末でも位置検索出来ない?
シホさんが行方不明だって事、できれば広まらない方がいいんでしょ?」
ミリアリアの言葉に、イザークとディアッカは顔を見合わせた。
「ああ、システムは端末に入れてあるけど…」
「そう。じゃちょうどいいわね。私がやるわ。」
「ミリィ!」
ミリアリアは、二人を安心させるように微笑んだ。
「これでも一応、元AAのCICよ?索敵に比べたら全然簡単だわ。
ディアッカ、端末借りるわよ!」
「おい、ミリアリア…」
つい声を上げたイザークの肩を、ディアッカが叩いた。
「確かにあいつの言う通りだ。騒ぎが大きくなればなるほど、犯人の思う壺だぜ?
犯人の本当の狙いはシホじゃない。お前なんだからな。」
イザークは拳をきつく握りしめた。
自分を狙うなら、正々堂々と正面から来ればいいものを!
赤服のエリートとはいえ、女性であるシホを狙った犯人に、イザークは深い憤りを感じていた。
シホは、この状況をなんとか打開しようと必死で考えを巡らせていた。
とはいえ、腕は後ろ手に縛られた状態。
一度は赤服を纏った男二人に、足技だけで対抗できるとも思えない。
と、シホは手首を縛める縄に少しの緩みがあるのを感じた。
アカデミーで受けた、特殊訓練を思い出す。
腕の拘束を解く訓練ではないけれど、これならなんとか応用できるかも…。
とにかく、時間を稼がなくては!
シホは弱ったふりをしながら、目の前の男達に話しかけた。
「あなた達、隊長になんの恨みがあるの?!」
いつのまにか近づいてきたケインが、くすりと笑った。
「むかつくんだよねぇ。あいつ。」
「…え?」
「ちょっといい思いしようとしただけでいちいち上層部に報告しやがって。
あのお人形さんにとっては婦女暴行に見えんのかもしれないけどさ。
あんなの遊びの範疇だろ?エルスマンだって数年前まで女を取っ替え引っ替えしてたじゃねーか。」
シホの脳裏に、ディアッカとミリアリアの姿がよぎる。
「エルスマンは…少なくとも嫌がる相手に何かするなんて事はしなかったでしょうね。あなた達と違って。」
あまりの嫌悪感に、シホはつい攻撃的な口調に戻る。
手を縛り上げる縄が少し緩んだが、無理な動きに擦れた手首がじんじんと痛んだ。
「やってるコトは、同じだろ?」
ケインの表情が苛立だしげに歪む。
「なら、薬物所持はどうなの?普通ならその一発で除隊じゃない。
そうならなかっただけ、隊長は優しい方だと思うけど?」
「あのくらい、みんなやってんだよ!
じゃなきゃ戦争のストレスに耐えられねぇじゃん。命かけてんだぜ?」
イザークに対する逆恨みの動機を知り、愕然とするシホ。
一方、ミリアリアもザフト本部に駆けつけますが…。
2014,7,11up