節度

 

 

 

このお話はR18要素を含んでいます。

苦手な方は閲覧をお控え下さい。

閲覧は自己責任でお願い致します。

 

 

 

 

 

 

 

「も、だめ…っ!見えるところには…」
 
 
胸元を中心に身体のいたるところにつけられた赤い痕は、所有の印だと彼は言う。
そんなものがなくても、ミリアリアはディアッカ以外のものになるつもりなどないのに。
そうやって何度説明しても、ディアッカはこの行為をやめない。
 
 
「そんなの分かってるっつーの。でもさ、それとこれとは別なんだよ」
「ん…あっ」
 
 
きゅう、と胸の頂より少し横をきつく吸われ、また一つ痕が増える。
「ドレス…着られなく、なっちゃう…」
「他にもあるだろ?無きゃ買いに行けばいいじゃん」
「そ、いう、問題じゃ…きゃあっ!」
ディアッカの大きな身体にのしかかられ、ミリアリアはベッドに押し倒された。
 
 
 
***
 
 
 
いったいどうしてこんなことになったのだろう?
イザークから誘われたジュール家のパーティは、内輪だけの肩が凝らないものだと聞いていた。
マティウスにあるイザークの生家に昨晩から宿泊させてもらい、クローゼットの中には自宅から持ち込んだドレスとアクセサリーもしっかり準備されている。
いつもより少しだけ露出度の高い、ロイヤルブルーのドレスは倹約家のミリアリアが珍しく一目惚れして購入したもので。
ディアッカの前でそれを着るのは初めてだったので、少しだけ反応が気になっていたのも確かだった。
 
 
あと一時間ほどでパーティーが始まる。
なのにどうして自分はシャツとネクタイだけの姿のディアッカに下着を剥ぎ取られ、ベッドに押し倒されているのだろう。
 
「まだ指も入れてないのにこんなにしちゃって…これならもう、いいよな?」
「え?なにが…ちょ、ま…!」
 
ディアッカの手がミリアリアの太腿にかかり、大きく開かれそのまま腰が浮くくらいに持ち上げられる。
 
「痛かったら、すぐ言えよ?」
「ひ…やだ、無理…っあ、やああああっ!!」
 
潤んだ中心にディアッカの怒張が触れた、と思った次の瞬間、勢いよく貫かれ、ミリアリアは背中を仰け反らして悲鳴混じりの嬌声を上げた。
いつもはじっくりと指や舌で慣らされ、焦らされて、ミリアリアから懇願してしまうことさえある大きなそれを根元まで埋め込まれ、一瞬だけそこに痛みが走った。
だがそれはすぐに、しびれるような快感へと姿を変える。
 
「あ…ああ…」
「っく、きつ…ほら、力抜いて…。動く、ぞ」
「うああんっ!ああっ!ああ!」
 
いきなり始まった激しい抽挿に、じゅぷ、と卑猥な音が耳を掠める。
 
「おま…締めすぎ…」
「いや、いやぁっ!ゆっくり…に、してぇっ!」
「そういう…気分じゃ、ねぇんだ…わりぃ」
「やだ、やだぁっ!おくっ…あああっ!」
 
グラインドを交えながら最奥を突かれ、急激に快感が高まっていく。
巧みに角度を変えて責められ、時にはギリギリまで抜いた怒張をまた勢いよく突き刺され、ミリアリアは嬌声を上げながら縋るものを求めて震える腕を伸ばした。
 
「ん?気持ちいい?」
「ふぁ、あん、いい、でぃあ…」
「っ、すげぇな、今日…」
 
何がすごいのかすら考える力もなく、ミリアリアはディアッカの首に手を回し、頭を引き寄せキスを強請る。
だが、いつもなら優しくミリアリアの唇を塞ぐディアッカのそれは、思いもよらない場所へ着地した。
「っあああああ!やああんっ!だめ、見えちゃ…うぅ!」
細い首筋に歯を立てられ、新しい快感にミリアリアは悲鳴をあげ……一気に高みへと押し上げられる。
 
 
「あ、や、いっちゃ…う、やだ、んぁあっ!」
「っく、やば…俺も…」
 
 
先程よりも激しく突かれ、ミリアリアの身体が震えだした。
 
「や、噛んじゃ、や…ああ、あああああ……っ!」
「ミリ…で、るっ…!」
 
再びがぶりと噛みつかれ、びくびくと身体を震わせながらまずミリアリアが達し。
一層きつくなった締め付けに導かれるようにディアッカもまた、ミリアリアの中に愛を、放った。
 
 
 
***
 
 
 
「今日のミリアリアさん、いつもと雰囲気が違いますね、隊長」
「プライベートでは名前で呼べ、と言っただろう?」
「あ…ごめんなさい、イザーク」
 
シンプルな紅色のドレスに身を包んだイザークの恋人であるシホは、そう言って小さく微笑んだ。
シホの視線を追ったイザークの目に、壁際に陣取る二人の姿が映し出される。
ロイヤルブルーのドレスに身を包んだミリアリアは、ディアッカにエスコートされカクテルを手に何か話し込んでいた。
ホルターネックのドレスはミリアリアの華奢な身体のラインをより美しく見せていたが、肌寒いのかその手には薄手のストールがあった。
コーディネイターとは趣の違う愛らしい容姿のミリアリアだが、今日はそれに加えてどこか気怠げな空気を纏っていて。
そのせいか、いつもより多くの男性たちの視線を集めていたが、それらは隣に立つディアッカによって全て跳ね返されているようだった。
 
 
「愛妻家も度がすぎると大変だな。」
「え?」
 
 
首をかしげるシホは、ミリアリアとはまた違う美しさで。
密かに満足げな溜息を漏らすと、イザークは小さな声でシホに囁いた。
 
 
「まぁあれだ。…何事も、節度が大事、ということだな。」
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

ぷらいべったーからの再録。
がっつりR18です苦手な方は本当にすみません(陳謝
Twitterのお題メーカーをもとに作成しました。ディアミリ夫婦設定となります。
ちょっと意地悪で独占欲丸出しなディアッカです。
最後に出てくるイザシホは恋人設定。

 

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