このぬくもりを、ずっと

 

 

 

 
ミリアリアはかじかむ手足を無意識にこすり合わせながら、もぞもぞと寝返りを打った。
クリスマスに引いた風邪はディアッカの献身的な看病もあり、すっかり回復している。
 
 
そして迎えた大晦日。
昨年同様、二人は手を繋いでベッドに入り、日付が変わると同時に愛を囁き、キスをして眠りについた。
それなのに妙な時間に目が覚めてしまったのは、今日から真冬に設定されたプラントの気温のせいだろうか。
 
そっと隣で眠るディアッカに視線を移すと、ぐっすり眠る少年のように無防備な寝顔がそこにあった。
元来眠りが浅いのも確かだが、ディアッカはミリアリアが眠れないでいるとすぐに目をさます。
それはきっと、ミリアリアの為にいつも神経を尖らせているからだ、と感じるのは、自惚れ過ぎだろうか。
はぁ、と冷たい指先に息を吹きかけ、ミリアリアはディアッカの寝顔を眺めた。
ミリアリアが目覚めてしまってもこうして穏やかな寝顔を見せてくれているのはーー安心してくれているからだろう、と思う。
 
 
決していなくならない、ずっとそばにいる。
それは二人で誓いあった、不変の想い。
 
 
目が覚めたら、隣にはいつも愛する人がいて、笑いあっておはようのキスをして。
数年前までは互いに諦めかけていた、渇望していたものが今、すぐそばにある。
だからきっと、ディアッカはこうして無防備な寝顔もミリアリアに見せてくれるようになったのだ。

そう思ったら嬉しくて、ミリアリアはディアッカの胸元にそっと擦り寄った。
冷たい手足がディアッカに当たらないように気をつけながら、温かなぬくもりを感じ目を閉じる。
きっとミリアリアの手足が冷たいことに気付いたら、ディアッカは目を覚ましてしまう。
だからミリアリアは、冷たさを感じさせないように細心の注意を払ってディアッカの体に寄り添う。
じんわりとしたぬくもりが伝わり、少しずつまた眠気がやって来て、ミリアリアはそっと目を閉じた。
 
 
来年もその次も、ずっとこうしてそばにいられますようにーー。
 
 
無意識なのだろう。ディアッカの腕が伸び、ミリアリアの細い体を緩く抱きしめる。
どうしようもない程の幸せを感じながら、ミリアリアはゆっくりと夢の国に旅立った。
 
 
 
 
 
 
 

007

 

 

 

2015年最後のお話は、ずっと更新が途絶えていたBlog拍手の方にさせて頂きました!
私にはありえないくらい短いものですが、DMへの愛をたっぷり詰め込んだつもりです。
そして、二人の間にある愛情や色々な想いも、短い文章の中にうまく込められていたら
いいなと思っております。

いつもBlog拍手をありがとうございます!
拍手以外にも感想等もちらほらと頂け、どのようなお言葉でも全て励み、創作の糧とさせて
頂いています!
拙いお話ですが、いつも応援して下さる皆様に捧げます。

改めまして、今年も一年ありがとうございました!
来年もどうぞ、よろしくお願い致します!!

 

 

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