指と指、離れる瞬間

 

 

 

このお話はR18要素を含んでいます。

苦手な方は閲覧をお控え下さい。

閲覧は自己責任でお願い致します。

 

 

 

  

 

 

 
 

 

 

 
二人して高みに昇りつめた後の、緩やかな下り坂。
荒い息遣いの中、ぎゅっと握りしめられていた指から力が抜ける。
そのまま自分の上にそっと覆い被さるディアッカを受け止めて、ミリアリアはうっすらと碧い瞳を開いた。
目の前にあるのは、紫の瞳を持つ端正な顔。
啄むような口づけを与えられ、ミリアリアは再び目を閉じた。
 
絡めていた指がそっと外され、汗ばんで火照った身体に逞しい腕が回される。
ミリアリアは怠い身体に鞭打って、自分も浅黒い背中に腕を回した。
「…どした?」
「…こうして、ぎゅってされるのが気持ちいいの」
一緒にいられる時間は限られている。
だから少しでも身近に彼を感じていたくて、ミリアリアはその広い胸に顔をすり寄せた。
「今日はずいぶん素直じゃん」
「なによ、それ…んっ…」
クク、と低く笑ったディアッカがゆっくりとミリアリアから自身を抜き去り、そのまま横に寝転んだ。
その刺激にもぶるりと震えたミリアリアだったが、すぐにまたディアッカに抱き寄せられ、腕の中に閉じ込められる。
 
 
「寂しいの」
 
 
突然発せられた言葉に、ディアッカは少しだけ驚いた顔になる。
つい今までしていた行為から考えたら、普通は出ないような言葉だったからだ。
「何か、嫌な事でもあった?」
腕の中のミリアリアは、ふるふると首を振る。
じゃあ、何故?
頭の中が疑問符だらけのディアッカを見上げ、ミリアリアは恥ずかしそうに言葉を続ける。
 
「手…」
「手?」
 
手が、どうしたというのだろう。
腕の中でもぞもぞと身じろぎをしたミリアリアが、緩んだディアッカの腕を引っ張り、その手を握る。
そして、先程までしていたようにそっと大きな手に自分の指を絡め、ぎゅっと力を入れた。
 
 
「こうしてると、すごく安心出来るの。だから、終わった後この指が離れて行っちゃうのがいつも寂しいの」
 
 
そうして、ミリアリアは絡めあった手にそっと顔を寄せる。
その姿に、彼女が抱える想いを感じ取り、ディアッカは小さな額にそっと唇を落とした。
「今はまだ出来ないけどさ。…いつか、俺たちがずっと一緒にいられるようになったら。毎日こうやって寝ようぜ?」
「…かえって寝苦しいんじゃない?」
そう言いながらも、ミリアリアは嬉しそうに、柔らかな笑顔を浮かべる。
「いーの。だから、約束な?」
「…うん。毎日は無理かもしれないけど…」
「ミリィって意外とリアリストだよなぁ…」
「かわいくなくて悪かったわね」
「そうは言ってないだろ?つーか言ったじゃん?さっきあんなにたくさん『かわいい』って」
それが行為中の話だと気付いたミリアリアの頬が、うっすらと赤くなった。
 
「ばか」
「馬鹿で結構」
 
ディアッカはくすくすと笑いながら再びミリアリアの首筋に唇を落とす。
 
「あ…ねぇ、ちょ…」
「あれだけじゃ言い足りなかったみたいだから。もっとお前のかわいいところ、見せて?」
「でも、もう今日は…ん…」
 
意義は認めない、とばかりにそのかわいらしい唇を塞ぎ。
ディアッカはその華奢な身体を組み敷くと、空いた手でもミリアリアの小さな手を捕らえて指を絡める。
そのままシーツに指を絡めあったままの両手を押し付け、震える胸の頂に唇を落とすと、びくん、と背中が跳ね、甘い吐息が漏れ。
ディアッカはまた、ミリアリアの身体に溺れて行った。
 
 
 
 
 
 
 
007

拍手小噺だというのに年齢制限ものですみませんでした;;
お題小説「指に触れる愛」のおまけの1題となります。
これは…いつくらいのお話でしょうね(笑)
皆様のご想像にお任せします(●´艸`)

 
 

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2014,11,17 拍手up

2014,12,22up

お題配布元「確かに恋だった」