Make Love

 

 

 

綺麗に筋肉がついた、無駄のない身体。
しなやかで力強い腕が、わたしを絡め取る。
目の前で蠢く逞しい胸も、わたしが腕を回しているこの背中も、どこもかしこも。
あなたの身体は、とても綺麗で。
わたしはいつも、あなたの身体に、見とれる。

 
 
 
 

お前の身体は、小さくて華奢で。
その小さな胸も、細い腕も、脚も、首も。
まるで壊れ物のようで、俺は力を加減してそっと抱き締める。
なのにお前は、もっと強く抱き締めて欲しいと言う。
でも、俺が本気で抱き締めたらお前の身体は折れてしまいそうで。
壊したくなんてないから。
俺は、その身体をきつく抱き締めることを、躊躇う。

 
 
 
 

あなたは、いつもわたしを優しく抱き締める。
あなたと違って、わたしはこういうことに慣れていないから。
何が正解かわからなくて、恥ずかしくて、して欲しいことがなかなか言えない。
それでも、勇気を出して懇願した。
もっと強く抱き締めて、と。
それなのにあなたはやっぱり、わたしを優しく抱きしめる。
他の女の人のことは、もっときつく抱き締めたんでしょう?
昏い想像が、脳裏を過ぎり。
わたしは、あなたの身体に嫉妬する。
あなたの身体と、あなたが抱き締めた過去の女性の身体に、嫉妬する。

 
 
 
 
 
俺の身体の下で、お前はその綺麗な碧い瞳に涙を溜める。
なぜ?と問いただせば、俺の過去に嫉妬したと言う。
自分より強く抱き締められたはずの、過去の女の身体に、嫉妬したと言う。
だから俺は、想いを込めて、何時もより強くお前を抱き締める。
今迄こうしなかったのは、お前を壊したくないからだと。
何よりも、そう、俺の命よりもお前が大切だからだと。
そう伝えて、涙に濡れた碧い瞳を覗き込み、唇を重ねる。
唇を重ねたまま、俺が与える快感に震えるその華奢な身体がやがて強張り、ゆっくりと弛緩するまで、お前の善いところを責め続ける。
そして、お前の口から零れ落ちる濡れた声を聞きながら、お前の身体の中心に、俺の想いを注ぎ込む。
そうやって、俺はお前の身体に教え込む。
お前に俺の、ありったけの想いを注ぎ込んで、何度でも、何度でも、教え込む。
 
 
 
 
 
待ち望んだ、強い抱擁。柔らかくて熱い唇。
与えられる、身体が溶けてしまいそうな程の快感。
わたしの醜い嫉妬を受け止めて、本当の理由を教えてくれた優しいあなた。
馬鹿ね、そんなに簡単に壊れるはずないじゃない。
かわいげのないわたしの言葉に優しく微笑み、わたしの欲しかったものを与えてくれるあなた。
好き、大好き。あなたが好き。
あなたの低くて甘い声を、身体を滑る手の動きを、絡められる舌を、熱い滾りの形を。
わたしはどんどん記憶して行く。
わたしだって、あなたが一番大切なの、とあなたへの想いを伝えたいけれど。
あなたに翻弄される身体はもう言うことを聞かず、こんな簡単な一言すら言葉にできない。
こうやって、わたしはあなたに溺れる。
あなたにしがみつき、濡れた声を上げながら、わたしはあなたの身体に、溺れて行く。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
007

 

300hit御礼小説になります!

あっという間の出来事で、本当にびっくりしています。

R18に該当・・・するのかな?とドキドキしながらも、こちらへupさせて頂きました。

時間軸としては、別れる前の、付き合い始めてそういう関係になって、少し慣れてきたくらいの二人、をイメージしています。

でも、ミリィは照れが先に立ってるだろうから、こんなに素直じゃないか(笑)

つたない文章ですが、楽しんで頂ければ幸いです。

いつもサイトに足をお運びくださる方々に捧げます!

本当にありがとうございます!

 

お題配布サイト「TOY」様よりお借りしたお題をもとに作成しました。  text

 2014,6,23up