5, 薬指にくちづけを

 

 

 

※この作品には性的描写が含まれています。
苦手な方は閲覧をご遠慮下さい。
閲覧は自己責任でお願いいたします。

 

 

 

 

 
ぐったりと意識をなくしたミリアリアを、ディアッカはそっと抱き締めた。
頭と体が冷えてくるにつれ、荒い息をつくミリアリアの事がだんだん心配になったディアッカはそっとその体から少し力の抜けた分身を抜き去る。
 
「ん…」
 
その刺激に反応して、ミリアリアが眉を顰め小さく声を上げた。
「ミリィ?」
そっと呼びかけると睫毛が震え、ゆっくりと碧い瞳が露わになる。
「…ディアッカ…」
ふわ、と微笑むミリアリアに心底安堵したディアッカは、今度は少しだけきつくその華奢な体を抱き締めた。
「ごめん…。初めてだったのに、俺…。辛かった、よな?」
夢にまで見たミリアリアの体、自分の与える刺激に反応する声、涙を溜めながら自分を見上げる、碧い瞳。
その全てにえも言われぬ喜びを感じて暴走気味になってしまったディアッカは、労るようにミリアリアの頬にキスを落とした。
 
「いいの…。嬉しかったから…。」
「……へ?」
 
間抜けな声を上げてしまったディアッカに、ミリアリアはまた笑って、すぐに顔を顰めた。
 
「い、痛っ…」
「あ、おい!無理すんなって!」
「だって…なんか、変な感じで…」
「変な?……あ、まぁ、そう…かもな」
 
 
女性の扱いにはかなり手慣れているディアッカだったが、処女を相手にするのは初めてで。
知識だけはあるものの、何からどう説明して、今どんな事をしてやればいいのか分からない。
内心の動揺を隠そうと必死なディアッカだったが、ミリアリアの無邪気な問いかけに慌てて我に返った。
 
 
「あ、の…。」
「え?」
「…このあとって…どうするものなの?」
「………え?」
「え?」
 
 
二人はきょとんと顔を見合わせ、固まり。
数秒後、ミリアリアがたまらずくすくすと笑い出し、ほのかに顔を赤くしたディアッカも続けて吹き出した。
 
 
 
 
「風呂、もうすぐ入れるぜ」
上半身は裸のまま、ジーンズだけ身につけたディアッカが寝室に戻ると、ぶかぶかのバスローブを身に纏ったミリアリアがベッドに座り、少しだけ怠そうに振り返った。
手には、なぜか半分取り外されたシーツをぎゅっと握りしめている。
 
「ありがと…いたた…」
「ああもう、無理すんなって!」
 
慌ててベッドまで走るディアッカを、なぜかミリアリアは困ったように見上げた。
「ディ、ディアッカ先にお風呂行って来ていいわよ。その間にシーツ取り替えておくから。」
「その体じゃ出来ないだろ、そんなん。いいって、べつにこのままでも」
「よ、良くないわよ!あの、だって…その…」
口ごもるミリアリアに、ディアッカは訳が分からず首を傾げる。
 
 
「あの…思ったより血が…その、出てて…」
 
 
「…はぁっ?!」
「び、びっくりしちゃうと思うし汚いしっ!だからいいの、自分でやるから!」
ぱぁっと耳まで赤くしたミリアリアがぶんぶんと首を振り、手にしていたシーツをずるずるとたぐり寄せるのをディアッカはぽかんと見つめ。
「きゃ…」
気付けばそのシーツごとミリアリアを抱き締めていた。
 
「そっか…そうだよな…あんなに痛がってたもんな…」
 
ミリアリアの腕に抱えられたシーツに付着した赤いものがちらりと視界に入り、ディアッカはさらにきつくその体を抱き締める。
「こんなに、嬉しいもんなんだな。」
ディアッカの腕の中でもがいていたミリアリアは、その囁きに訳が分からず顔をあげた。
 
 
「好きな女の初めての相手が自分、てのがさ。こんなに嬉しいもんだなんて、知らなかった。
…それでも出来れば、お前に血なんて流させたくなかったけど。」
「これは…仕方ないじゃない、そういうものなんだもの。…って、ちょ、何してるのよ!」
 
 
ディアッカはミリアリアの手からシーツをそっと奪い取る。
その長い指がシーツに付着した血痕をゆっくりとなぞっているのに気付き、ミリアリアは驚いて声を上げた。
「お前の血が汚いわけなんかないだろ?それより、ほんとに平気なのか?動ける?」
「う、動けるわよ!…ちょっと、痛いけど…」
はぁぁ、と大きく息をついたディアッカが、奪ったシーツを脇に投げミリアリアを再び抱き締める。
 
「…ありがとう」
「…え?」
 
いつにない真摯な声に、ミリアリアはディアッカの顔を見上げた。
そこには、泣きそうな笑顔のディアッカがミリアリアを見下ろしていて。
 
 
「お前の“初めて”の相手になれて…すげぇ嬉しい。だからさ…ありがとう」
 
 
碧い瞳が驚きに見開かれーーーそっと、小さな手がディアッカの首に回される。
 
 
「私こそ…ありがとう。こんな私を選んでくれて。ディアッカとこうなれて…私も、嬉しい。」
 
 
そうしてミリアリアは、痛みを堪えながら少しだけ体を浮かせ。
自分からディアッカに、キスを送った。
 
 
 
 
 
それから2日後の、夜。
自分の隣ですやすやと眠るミリアリアを、ディアッカはぼんやりと見下ろしていた。
ミリアリアと初めて体を重ねた日はさすがにあれ以上何もせず、恥ずかしがるミリアリアと二人で入浴してそのまま眠ったが、次の日も、また次の日も二人は体を重ねた。
ディアッカは出来る限り優しくミリアリアを愛し、ミリアリアもまた回数を重ねるごとに行為に慣れて行ったのか、ディアッカの腕の中で何度も意識を飛ばした。
 
ミリアリアの頬に残る涙の跡を優しく指でなぞり、ディアッカはそっとその左手に指を絡めた。
眠っているはずなのに、きゅ、とその手を握り返してくるミリアリアに、ついディアッカは笑顔になる。
そして、その手を持ち上げると、細い指ーーー薬指にそっと唇を落とした。
 
 
今はまだ、ここに何もしてやる事は出来ないけどーーー。
 
 
 
「いつか、お前に似合う指輪、選んでやるから。それまでこの指は空けとけよ?」
 
 
 
ディアッカの声に反応したのかミリアリアが身じろぎ、その小さな体を無意識に擦り寄せて来て。
ーー明日なんか、来なきゃいいのに、な。
心地よい場所を見つけたのか、息をついて再びすやすやと眠り続けるミリアリアの白い肩に、ディアッカはそっとブランケットを掛け直すと柔らかな髪に顔を埋めた。
 
 
 
 
 
 
 
007

これにて、お題小説「指に触れる愛」は完結となります!
半分以上年齢制限となってしまいましたが、えーと、お楽しみ頂けましたでしょうか?
この後の二人の事を思うとちょっぴり切なくなってしまうのですが、最後は
ハッピーエンド!ですから;;
二人の絆は、離れている間もちゃんと繋がっているんです。この時も、別離の時も。
ちなみに補足ですが、「お前に似合う指輪〜」のくだりは、長編「心を重ねて」で
ディアッカがミリアリアに贈った指輪(あれはディアッカがデザインから石まで全て選んだ
オーダーメイド!)のこと、です。
一緒に選ぶのもいいですが、ディアッカは“自分が”選んだものをやっぱり大好きな人に
身につけてほしいんですよね。
それもまた、独占欲の現れなのでしょう。
…にしても、管理人もこんないい男に独占されたいものです(笑)

いつも当サイトに足をお運び頂き、本当にありがとうございます!
無事5555hitも迎える事が出来、皆様のお力のお陰と本当に感謝しております!
長編も少しずつ進めて参りますので、今後ともどうぞよろしくお願い致しますvvv

 

 

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お題配布元「確かに恋だった」

2014,10,9up